Biogon:ビオゴン

 
 

 ビオ(BIO:生命)とゴン(GONIO:大きな角度)の合成語であるビオゴンは「生命を確実に捕らえる」という意味であるが、命の吹き込まれたレンズという解釈のほうが似合っている。絞りを境にして、前後対称形はプラナーに類似しており、ワイド系プラナーという感じであるが、大きく異なるところは、フランジバックが短い為に、一眼レフでは使用できないことである。
 前後対称なことから、歪曲を含めた諸収差は見事に補正され、レトロフォーカス(焦点距離よりフランジの長い)タイプのディスタゴンでは得られない素直な描写が魅力である。ツァイスイコン時代の銘レンズであったが、現在Gシリーズのレンズとして2本が復活しており、リーズナブルな価格の割りに、高いコストパフォーマンスを誇る。28mmの設計はオリジナルそのもので、コーティングが良くなった分、切れ味がさらに増しており、G1の有り難味を実感できる1本。21mmはオリジナルのF値がF4.5だったが、新登場したのは明るさを重視したF2.8で、残念ながら前後の対称形は崩れている。

 

 

 

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