Tessar:テッサー

 
 

 2002年、100Jahre(フンダートヤーレ:100周年)記念モデルが発売されてお分かりだと思いますが、テッサーはCONTAXカメラが誕生する30年も前の1902年4月にF6.3のレンズが発表された。4枚構成ということから、ギリシャ語の4にあたる「テサーラ」が語源である。そのシンプルな構成からは信じられないような四隅までシャープで高コントラストの像を呈し、その写りから「鷹の目」というキャッチフレーズで親しまれた。このレンズが写真レンズとしてのツァイスブランドを世界に知らしめたのである。
 テッサーはヴァンデルスレヴ博士の協力によりパウル・ルドルフ博士が生み出した。ウナーの前群とプロターの後群という2種類のレンズのいい所だけを合わせて作られたものがテッサーである。実際、当時テッサーに類似したレンズは数多く作られていたようだが、ガラス材質の問題もあったせいか、ツァイスのテッサーのように白はあくまでも白く、黒はあくまでも黒くといった、高いコントラストの良像が得られなかったようだ。
 ご存知の通り、ツァイスイコン時代のカメラにも多数搭載された銘レンズのテッサー。あの、ブラックCONTAX(T型)に搭載されたレンズもテッサーである。ヤシカ(京セラ)CONTAXのボディ用のテッサー45mmF2.8もあるが、最も簡単にその素晴らしい写りを体感できるのが京セラ発売のコンパクトカメラSlim-TまたはT-Proofである。その切れ味、発色は実に素晴らしく、確かめてみる価値は大いにある。

 

 

 

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